母ちゃんを通わせたい施設7「死にたい」

  • 投稿日:2022年 2月17日
  • テーマ:理念


母の介護を契機に、母が暮らしやすく妻が介護し易い家を新築したことを
前回の通信(2月10日)に書きました。

母の為に、高断熱高気密住宅とし、夏涼しく冬暖かい室温が一定の暮らしが始まりました。

私たち夫婦にとって、日中一人で暮らす母の心配事は火事と室内の転倒でした。
そこでオール電化住宅とし家事では火を使わせないようにします。
床面はフラットで段差がないのですが、万が一の転倒を考慮して車椅子を用意します。
移動する際には車椅子を使うように指導もしました。

 本が好きな母は、様々なジャンルの本を読みながら快適な室内でゆったりと暮らします。
しかし暫くすると、「早く死にたい!早くお迎えに来て欲しい!」と私たち家族に話すようになります。
私は「これまで家族のために頑張ってきたのだから、ゆっくり暮らそうね!」と声を掛けますが、
「貴方には、私の気持ちが分からない!」と母から言葉が返えってきます。

 私には快適な条件の家で、なに不自由なく暮らす母の気持ちが理解できませんでした。
次第に「死にたい!」が口ぐせとなり常態化していきます。
終いには私の口から、「だったら早く死ねば!」という言葉がつい出てしまいました。
家族は遠慮がないので、ぐさりと刺さる言葉を発するものです。
同居する3人の息子達からも、次第に母は疎まれるようにもなっていきます。

 こんな生活が今後10年以上続くのだろうと漠然と思っていた時、
母は自宅で倒れてそのまま帰らぬ人となってしましました。
2011年7月、享年75歳の生涯でした。

 それから10年が過ぎた今、
母の「死にたい!」という気持ちがようやく分かるようになってきました。
その理由については明日・・・

   石川シュウジ


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